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SHAKUJII GUIDE 石神井ガイド記事

観る、学ぶ、体験する!アート&カルチャーにひたる休日

ライターの田口浩子です。自然のなかで遊んだり、ショッピングやカフェ巡りで街あるきを楽しんだりするのもいいけれど、たまには少し趣向を変えてアートやカルチャーに触れる時間を過ごしてみませんか?

石神井公園エリアやその近隣エリアには、子どもから大人まで一日楽しく学んで遊べるミュージアムや体験スポットがあります。その日の気分や自分たちの好みに合わせて、がっつり学ぶもよし、ゆったり癒されるもよし。外で過ごすには寒かったり暑かったりする日や雨の日のレジャーとしても、おすすめですよ!

芸術鑑賞&グルメや陶芸体験で一日満喫
「光が丘美術館」

仕事に家事に子育てに、充実した毎日を過ごすためには、心癒されるような時間も大切ですよね。もし「今日は静かな場所でホッとくつろぎたい!」と思ったら、都営大江戸線光が丘駅からほど近い場所にある「光が丘美術館」を訪れてみてください。ここは、日本画をはじめ陶芸、版画作品など、国内の新進気鋭の作家たちの意欲作を集めた美術館です。

西洋芸術は好きだけど、日本の芸術作品はあまりわからなくて…という方もいるかもしれません。けれども、豊かな屋敷森に囲まれた静かな佇まいの美術館で、四季のうつろいを写し出した日本画や壮大な歴史物語を描いた屏風絵など、伝統のなかにもモダンな個性が光る作品群を鑑賞していくうちに、その独自の美の世界にきっと引き込まれてしまうはず!

ゆったりとアートに浸ることのできる落ち着いた館内。

また「光が丘美術館」には、世界に12台しかないという、ベーゼンドルファー製作の貴重なグランドピアノも展示。このピアノを使ったコンサートなども毎月1〜2回、定期的に開催されています。美術×音楽に親しむ絶好のチャンスなので、ぜひ一度、足を運んでみてください。情報は随時、ホームページで発信されます。

オーストリア1000年祭を機に製造されたグランドピアノ。

そして芸術鑑賞で心安らぐ体験をしたら、とびきりの美味で体にもリトリートを。敷地内には埼玉県小川町の養蚕農家を移築した古民家風のそば処「桔梗家」があり、ここでは会津産玄そばを100%使用したおいしい自家製手打ちそばがいただけます。昔ながらの風情あふれるお座敷で、日本庭園を眺めながらおそばを味わう…なんとも贅沢な時間ですよね。

庭園は、季節ごとに違う美しさを見せてくれます。
おそばだけでなく夏はぜんざい、冬はおしるこの甘味も。

さらにこの美術館には、陶芸教室も併設されており、習い事として陶芸をはじめることができるだけでなく、1日体験で陶芸の魅力に触れることも可能です。初心者の方や子どもたちでも楽しめる1日体験は、ぐい呑みや茶碗1点を制作する「1時間体験コース」と湯呑み茶碗3点を制作する「2.5時間体験コース」の2コースがあり、水・木・金・土・日の午前(10:00〜12:30)・午後(14:40〜17:00)でそれぞれ開催されています。体験してみたい方は、前日までに必ず予約してくださいね。

まずは気軽に参加できる1日体験がおすすめ!

(写真提供/光が丘美術館)

■光が丘美術館
住所:練馬区田柄5-27-25
HP:https://hikari-m-art.org

電話やネットの歴史と技術を学べる
「NTT技術史料館」

毎日の生活に欠かせないインターネットや携帯電話。これがない時代があったなんて、今となってはもう信じられませんよね? 「NTT技術史料館」は、これほどまでに暮らしに浸透している情報通信技術について、詳しく学ぶことのできる魅力的なスポットです。

そもそもNTTグループは、1952年(昭和27年)に日本電信電話公社として発足して以来、日本の通信事業の中核を担ってきた企業です。その70年以上にわたる技術開発の歴史的資産をここで公開しているのですから、見応えはバッチリ!1800年代にペリー来航によって入ってきた電信電話のことはじめから、国産1号の電話機や昔懐かしい昭和の黒電話、さらにはモバイルネットワークやインターネット技術にまつわる機材まで、時代を超えた展示を楽しむことができますよ。

日本の電信電話ことはじめを壁画でわかりやすく紹介。

広すぎてどこから見たらいいかわからない!なんてことのないよう、展示は「歴史をたどる」「技術をさぐる」の2つのテーマにわかれ、それぞれ見学コースがつくられています。もちろん、コースにとらわれず自由に見て回ってもOKですし、主要な展示史料の説明を聞きながらご見学したい!という場合は、ガイドツアー(要事前予約)をお願いすることも可能です。

展示のなかには国立科学博物館の「未来技術遺産」(正式名称:重要科学技術史資料)に選ばれている貴重な史料も点在しているので、それらを探しながら歩いてみるのもおもしろいかも!

キッズたちにはめずらしい、公衆電話機コーナー。
歴代の携帯電話がずらり。昔、使っていた機種もあるかも!

また見るだけでなく、1階と3階にあるパラボラアンテナ同士で会話を楽しんだり、レトロな電話機や手動式の電話交換にトライできる体験コーナーも子どもたちに大人気(2021年11月現在、一部休止中)です。

その他、春の「武蔵野桜まつり(武蔵野市主催)」、夏の「夏休み体験型子ども科学教室」、秋の「特別公開」、冬の「特別公開」と四季それぞれの特別な催しもあるので、要チェックですよ!

古い映画で見るようなレトロな電話機や電話交換の体験コーナー。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、当面は休止中。

(写真提供/NTT技術史料館)

■NTT技術史料館
住所:武蔵野市緑町3-9-11 NTT武蔵野研究開発センタ内
HP:https://hct.lab.gvm-jp.groupis-ex.ntt

楽しみながらアニメを学ぶ
「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」

日本が世界に誇る文化のひとつ、アニメ。ここ「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」は、日本のアニメの歴史やアニメーションの原理、制作工程、最新のデジタル技術などを体系的に学ぶことができるミュージアムです。

体験しながら学ぶ参加型のコーナーも用意されていて、アニメの映像に合わせてセリフを吹き込むアフレコ体験は、声優のお仕事にチャレンジできる人気のコーナー。実体験をすることによって、こういう風に作られているんだ、と今まで何気なく観ていたアニメへの探究心が芽生えそうですね。

うまくできるかな?ドキドキのアフレコ体験。

ほかにもコンピュータを使用した色塗りや編集作業など、デジタル制作を体験できるコーナーもあるので、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょう。さらに、アニメライブラリー(図書館)も見逃せないコーナーのひとつ。こちらでは、アニメに関する書籍やインタビュー映像、DVDなどを閲覧することができます。アニメの専門誌や映画パンフレット、イラスト集から制作資料や画集まで、貴重な書籍が数多く所蔵されています。お父さんやお母さんが子どもの頃に観ていた懐かしいアニメのDVDも揃っているので、大人も楽しむことができます。

アニメ制作体験ができるワークショップ。

年に3〜4回、人気アニメなどの企画展も開催。取り上げられたアニメ作品は解説パネルや映像で紹介されるほか、アニメのシーンに使われた背景画像など、普段見ることができない制作現場の貴重な資料も展示されます。シアターでの上映会をはじめ、キャラクターと一緒に写真が撮れるフォトスポットやクイズラリー、親子で参加できるワークショップなど、楽しいイベントもあるので、素敵な思い出になること間違いなしですね。

(写真提供/東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム)

■東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
住所:杉並区上荻3-29-5 杉並会館3階
HP:https://sam.or.jp

自分だけの器づくりにチャレンジ!
「STUDIO KILN 陶芸教室」

以前、とある料理研究家の方から「料理は盛り付けるお皿が違えば、おいしさも違ってくるのよ」と聞いたことがあります。たしかに、買ってきたお惣菜だって、パックのままで食べるのとお気に入りの器に盛って食べるのとでは、全然気分が違うもの。その器がもし、自分で一生懸命つくったものだったら、いつもの料理がさらにひと味もふた味も変わるような気がしませんか?

「スタジオキルン陶芸教室」は、2007年から石神井公園エリアで多くの人に陶芸の魅力を伝えている教室です。講師の桜井寛之さんは、もともと商業デザイナー。趣味でやっていた陶芸のおもしろさに引き込まれ、岐阜の窯元に住み込みで3年間の修業。その後、都内の教室で講師を勤めながら創作活動を続け、この教室をはじめたのだそう。普段づかいの器づくりを中心とした桜井さんの作品は、シンプルななかにも独特な風合いが感じられ、どんな料理をも温かく受け止めてくれそうな懐の深さが魅力的。さまざまな飲食店からも注文を受けて、作品を提供しています。

陶芸作家としても活躍中の桜井寛之さんの作品たち。

現在、教室には小学生の子どもたちやパパママ、仕事帰りのOLさんやビジネスマン、シニアの方々まで、幅広い年齢層の人たちが通っています。この教室のいちばんの売りは、生徒さんの気持ちに寄り添う桜井さんの丁寧な教え方。基本的にはスタンダードな湯のみづくりからはじまり、お茶碗、お皿、コーヒーカップ、花瓶などへと順次レベルアップしていくのですが、決してマニュアル的な教え方をするわけではありません。「例えば、生徒さんが“私、こんなお皿をつくりたいんです!”と言って器の写真を見せてくれたら、それをつくれるようになるためのプログラムを考えていきます。生徒さんが自分でつくれるようになるまで、しっかり私がサポートするというスタンスです」と桜井さんは言います。クラスも最大3名までと少人数で、それぞれのレベルに合わせて一からじっくり教えてくれるので初心者の方でも安心ですね。

閑静な住宅地のなかにある、アットホームな工房。

コースは、「未経験だけどやってみたい」「基礎を身に付けたい」という方向けの「初心者コース」、ある程度のスキルはあるけれど「もっとスキルアップしたい」「じっくり自分の作品づくりに励みたい」といった方向けの「上級者コース」、初心者コース修了程度のスキルを持っていて電動ロクロで作品を作りたいという方のための「電動ロクロコース」の3つにわかれています。

受講の時間帯も火曜・木曜・土曜の午前・午後・夜のそれぞれで希望の時間を選ぶことができるうえ、月4回受講・月2回受講または回数券のようなチケット制でのコース選びができるので、自分の都合に合わせて、無理なくムダなく通うことができそうです。もちろん、「一度、やってみてから決めたい」という方のために一日体験も用意されていますよ!

2020年・2021年は未開催でしたが、例年はイベントとして「夏休み親子体験」も実施。夏休みの自由研究にもぴったりですし、ぜひ一度、親子で参加してみてはいかがでしょうか?

粘土あそび感覚で子どもたちはすっかり夢中!

(写真提供/STUDIO KILN 陶芸教室)

■STUDIO KILN 陶芸教室
住所:練馬区石神井町8-29-3 坂本テラスハウス2号室
HP:http://www.i-m.mx/studiokiln/studiokiln

古くから文化人が多く暮らしてきた練馬区。その名残もあるからか、石神井公園エリアは周辺地域も含めて、今なおアートやカルチャーに触れるチャンスが多い街なんです。東映のアニメの歴史や製作過程を学べる「東映アニメーションミュージアム」や日本と世界の絵本画家の作品が展示されている「ちひろ美術館・東京」など、ここに載せきれなかった素敵なスポットも、まだまだたくさんあるんですよ。今週末はここ、次の週末はあそこ、という風にあちこち出かけてみて、自分のお気に入りを探してみるのも楽しいですね!

※掲載の情報は2021年11月現在のものです。
※利用時間、休館日、イベント内容等、施設の情報は、リンクの各施設ホームページをご参照ください。